遺構の景


九州鉄道：城山旧線・仮塚峠


＜概要＞
位置：福岡県筑紫野市俗名院〜筑紫
天拝山駅付近から右方へ。原田駅手前で合流。現在は市道。
位置図

＜沿革＞
九州鉄道は、九州で最初の鉄道を1989/12/11博多−千歳川（仮）に開通させた。
その際、当時の二日市−原田間は現ルートではなく、約300ｍ西を通っていた。
このルートは20パーミルの勾配が介在し、輸送上のネックとなっていた。
1920年に後に複線化されるに際して、勾配を避けた現ルートを建設し、廃線となった。

途中にレンガ造の三連アーチ橋梁がある。
この橋梁は開通当時のままで、現在も市道の橋として現役であり、国登録文化財に登録されている。

同ルートの縦断勾配はＭ字型をしているようである。
ちょうど中央のへこみ部分に三連アーチ橋があり、2ヶ所の頂部を持っている。
二日市と原田との高低差はあまりないが、昇り降りを繰り返す不合理な配線である。

そもそも鳥栖へ向かうのになぜわざわざ勾配のつくルートを選択したのか理解に苦しむ所である。
この周辺は筑紫平野と筑後平野が極低い分水嶺で接触する地域であり、
多少遠回りでも勾配を避けたルートを選択する事もできたと思われる。
事実、西鉄大牟田線は平坦部の津古・小郡を経由して久留米へと向かっている。
宿場町でもあった原田に駅をおきたかったのだろうか。

天拝山駅を過ぎると右方へ遠ざかる道路を見ることができる。 これが城山旧線である。		城山旧線から天拝山駅方面を望む。 踏切は俗名院踏切。
踏切を背に原田駅方向を望む。そんなに急勾配には見えない。		第1の頂部より天拝山駅方向を望む。
第1の頂部より原田駅方向を望む。谷部に三連アーチ橋がある。		第2の頂部より天拝山駅方向を望む。 この付近では急勾配に見える。 4車線道路は「鳥栖筑紫野有料道路」
第2の頂部より原田駅方向を望む。		左画像の奥部より天拝山駅方向を望む。
合流部を望む。		合流部から天拝山駅方向を望む。
現在線付近から三連アーチ橋を望む。		三連アーチ橋近影。
隣接する「鳥栖筑紫野有料道路」の橋の下から。		アーチ部分から現在線を走る列車を望む。

（文責・著作権：脚長ヲヂサン）