行き止まりの景


ＪＲ九州：若松駅




＜概要＞

駅名	型式	着発線	構造
若松	頭端型	1面2線	枕木＋第2種車止め＋制走堤

※客扱い線のみとする。

＜位置＞
・国土地理院『うぉっ地図』：八幡[北西]
・国土交通省ウェブマッピングシステム→カラー空中写真　1974年版
・広大な構内の様子が見て取れる。岸壁には山積みにされた石炭らしきものが見える。
・駅舎の向きと駅前ロータリーの位置が現在とは違っている。
・画像右方に若戸大橋が見える。まだ2車線で歩道がある時代。現在は4車線の自動車専用道路。橋の下にはちょうど出航したばかりの若戸渡船の姿。
・画像右下に戸畑駅。さらに西鉄戸畑線の線路が見える。
・Google map→若松駅

＜沿革＞
1891/08/30、筑豊興業鉄道が若松−直方間を開業させ、若松駅設置。
1894/08/15、筑豊興業鉄道を筑豊鉄道に改称。
1896/04/29、若松−折尾間複線化。
1897/10/01、九州鉄道に合併。
1904/10/25、現在位置に移転。
1907/07/01、国有化。
1909/10/12、若松−上山田間を筑豊本線とする。
1919/00/00、構内を拡張。駅位置を現在位置に移転。
1941/00/00、貨物取扱量日本一に。
1982/11/15(?)、貨物扱い廃止。
1984/03/24、頭端部に新駅舎落成。
1987/04/01、JR九州に継承。
2001/10/06、筑豊・篠栗線電化で同区間に「福北ゆたか線」の愛称をつけたことに伴い、若松−折尾間を「若松線」の愛称とした。

若松駅の歴史は貨物の歴史である。その貨物も取り扱い品目のほとんどが石炭である。
遠賀川中流域の筑豊地区では旧幕時代から石炭が産出され、河川を経由して玄界灘の各港まで輸送されていた。
その輸送を大量に且つ効率よく行なうために鉄道が計画され、1891年に若松−直方間に鉄道が開業した。
当時の日本は急速な近代化が図られる時代であったため、その旺盛な需要に応えるべく筑豊地区では炭田開発が進められ、同時に各炭鉱まで鉄道が建設されていった。
結果、輸送量も増大し、若松駅での取扱量もどんどん増え、1941年には貨物取扱量日本一を記録するまでとなった。
その間駅施設は移転拡張を繰返し、積出施設とあわせ広大な敷地となっていった。
しかし戦後のエネルギー政策の転換により石炭の産出は減少、輸送量も激減し、ついに1982年には貨物の取り扱いを廃止するに至った。
残った広大な駅施設はその後、主に住宅地域に生まれ変わったが、まだ未利用地が多く残っている。

若松駅は旅客列車のみの運行となり、駅施設はスリム化され、ホーム1面に発着線2本と側線のみの姿となった。
現在は2本/hのワンマン列車が折尾との間を往復している。

＜関連リンク＞
・さいきの駅舎訪問→現役路線の駅舎→筑豊線→若松駅
　
（文責・著作権：脚長ヲヂサン）